組織は船?

どういことかといいますと、小さな漁船ととても大きなタンカーか豪華客船を比べてみるとよく分かります。

  • 例えば、漁船は中小の企業と思ってください。船頭さんは一人で舵は一つです。船体は小さいものです。
  • 船頭さんの息子や若干の雇われ船員は乗っているかもしれませんが、基本的には采配は船頭に任されています。気が変わって方向転換するときも基本的には船頭さんの采配です。
  • これはまさに中小の企業が小回りがきき、また方向があっていればそこに向かって一目散に駆けつける事の出来るadvantageを表していると言っていいでしょう。船体が小さい分、小回りがきく反面、Deliverできる量はそれほどのsignificanceが無いということも言えますね。また、船頭さんの意向だけで決めた進路には思いもよらぬリスクがあることもあり得ます。
  • かたや、超大型客船には船頭、いやキャプテンの下にとてもいろいろなfunctionのdirectorsがいるはずです。機関室長、客室係の長、設備保安の長、船内電気制御管制の長、レーダー室長、などなど様々なfunctionsの人たちがいるはずです。
  • いったん方向が決まれば、そこに向かって一目散に駆けつける、というのは漁船と変わりません。問題はそこに至るまでです。右に行くと言えば客室係長が「いやいや、そっちは気温が高すぎてお客様に不快感を与えます」。左に行くと言えばレーダー室長が「いやいや、そっちは氷山が多くてきけんです」。じゃあ、このまままっすぐ行こうかと言えば、「いえいえ、それではコースの距離が長すぎエンジンに過負荷がかかりまっせ」と機関室長。この間、各functionは自分の思うように船を操作しますのでスピードは全く出ません。
  • 困った長たちはキャプテンにどうしますか?と相談します。ところがキャプテンは大抵、「目的地まで一番快適で、一番短い距離で、一番少ない燃料で、一番波のない航路をとりなさい。一体、君たちはこんな事にいつまで検討を重ねるつもりですか?」などと逆に叱られて終わり。キャプテンはリスクを取りたくないので、自分では決めません。
  • 結局、結論が下されるまでにはとてつもなく長い時間がかかり、時既に遅しということもあり得るでしょう。逆にいったん方向が決まった後は、散々議論を重ねた後なのでリスクも少ないと言えましょう。
  • しかし途中で予期せぬ障害物に遭遇したときには、まさにタイタニックのように、慣性の大きい分だけ方向転換は遅れます。スピードが速くても方向転換は時間がかかります。Jet linerが何キロもの半径を描いて180度方向転換をはからなければいけないのと同じです。
  • そしてそれがまさに大企業の組織です。どっちが良いという話ではありません。どんな業種でも、どの国の会社でもその違いは厳然と存在します。どんな環境でもapplyする物理学のようなものです。
  • これは外資系企業でも全く同じです。むしろ外資の大企業はその傾向が日本よりも強いかもしれません。その辺も良く理解しておかれたらいいと思います。どちらの船に乗るのか?それはあなた次第です。